短歌の小箱
塔 2022年12月号
ラヴェンダの風
2023年12月29日 19:59
吾の血を三日吸ひたる蚊を叩く吾が掌に血は戻りきて
まだ知らぬ周五郎の女ゐて夏の休日ともに過ごしぬ
胡瓜ハム玉子を入れて蕎麦を食む夫の味覚を吾は怪しむ
足元にこつんこつんと音のして青き団栗秋を弾みぬ
百円の新色毛糸もとめけりあるだけ買ひて足るか足らぬか
冷房を効かせ編物始めけり冬は突然顔出すだらう
この頃はゆつたり着たき何もかもソックスさへもゴムの緩きを
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